1. マルチとは
原料がポリエチレンで出来ているためポリマルチということが多いです。
マルチフィルムには大きく分ければ地温を上昇させたり、土の湿度を保ったりするために引くものと、雑草の発生を防ぐために使われる物と地温を下げる目的で使われる物が有り、長いビニールシートのようなものです。
マルチを使った野菜栽培では、使わない場合に比べて野菜の収量をあげることができます。
光の吸収が良いので土が温まりやすく、保湿性があります。黒マルチは雑草の抑制効果と夏場の地温上昇の抑制効果があります。
① 透明マルチ(白マルチ)
太陽光がマルチの中まで入るので地温上昇効果は一番ですが、光が届くのでマルチの中で雑草がはびこります。
色が緑っぽいものもありますが、透明のものと同じように雑草の防止効果はありません。
透明マルチは黒マルチと比べ、光の吸収が良いので地温上昇効果が高いです。
② 黒マルチ
地温を上昇させたり、湿度を保つ効果とともに、雑草の抑制効果もあります。
黒マルチは透明マルチと比べ、雑草の抑制効果が高いです。
耐候性・耐熱性が強化され、長期使用又は紫外線の強い地域に適した農ポリです。
③ シルバーマルチ
アブラムシなど光りものを嫌う害虫に対する防虫効果があります。
春、夏、秋栽培の葉菜・根菜果菜の栽培に使用するマルチングフィルムです。
銀色の反射効果により、アブラムシなどの害虫忌避と雑草防止効果を発揮します。
地温抑制、果実の着色にも優れた効果があります。
④ 生分解マルチ
土壌中の微生物によって分解されるフィルムです。
原料はセルロースなどを用いています。使用後は土に鋤き込むことによって処理できることから回収コストと廃棄処理コストがかからない点があげられます。普通のマルチと比べて価格が約2〜3倍高い点がありますが、さらに普及することによって価格も下がると考えられます。
2. 寒冷紗(かんれいしゃ)とは
植物を覆うポリエチレンなどの化学繊維や、綿、麻、などを粗く織りこんだ目の粗い薄い布のことで、夏季の高温や強光を防ぐ遮光の役割のほか、防寒・防風・防虫用などに使われます。
白・黒のほか銀色・緑色・透明などがあり、用途に応じて使い分けましょう。
目の粗さで寒冷紗の遮光率が変わり、一般的には、色が付いている寒冷紗のほうが、遮光率が高くなります。(遮光率とは植物へ日当たりの遮り具合を表すのもので、遮光率が高いほど暗くなります。)
遮光率が高いほど蒸散防止効果が高いので、育苗期のしおれを防止できます。
ただし、遮光率が高過ぎると日光が少なくなりヒョロヒョロと育つこともあるため、寒冷紗は植物の性質に合わせて使い分ける必要があります。
冷却効果があり、秋冬野菜の早生の品種を植える頃(8月〜9月頃)熱くなりすぎないように覆って使用しましょう。
3. 不織布とは
不織布は繊維を織らずに熱・機械的または化学的な作用によって接着または絡み合わせる事で布にしたもので、農業や園芸では排水シートや種蒔き時のシートとして用いられます。
寒冷紗とは逆に保温効果があるため、春〜初夏採り野菜や夏野菜定植後などを覆って使います。遮光率は概ね10%位のものが多い。
保温効果があるため、秋冬野菜(8月〜9月頃植えるもの)で使うと害虫の住処を作っているようなものとなるため注意しましょう。